離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました
 ここ一週間くらい、夫の忙しさに拍車がかかっている気がする。

 抱えている案件が多いらしく、帰宅が深夜になることもざらだ。
 明日の土曜も仕事があって休めないという。こんなに忙しい毎日だと、いくら健康体の彼でも倒れてしまわないか心配だ。
 
 そんな中、明後日の日曜はオノデラ貿易の創業パーティが控えていた。
 せっかくの休日だから身体を休めて欲しい。パーティは夫婦同伴でなくていいから、家で休んでくださいと言ったのだが、彼は大丈夫だから出席すると言って譲らなかった。

「あれ、純玲、あんまり食が進んでないけど?」

 純玲の箸が止まっていることに気付いて泉が聞いてきた。

「うん……なんか意外に食べれない」

 美味しそうだと思って選んだチキン南蛮だが、食べ始めてみるとやけに重く感じて進められなくなってしまった。

「ちょっと、昨日胃が重かったのがぶり返したかな。もっとさっぱりしたものにすればよかった」

「何でもよく食べる純玲が珍しい。夏の疲れが出たのかな、無理しないで」

「うん、ありがとう。気を付けるよ」

 泉に手伝ってもらったものの結局少しおかずを残してしまい、申し訳なく思いながらカフェテリアから出た。
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