離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました
 君はよく寝てしまっていたし、昨日の今日で無理させたくなかったから一人で行ってきたと泰雅は続ける。

「善は急げと思って、俺の実家にも寄って父に記入してもらった。後は君が書いてくれれば完了。あと、提出には戸籍謄本が必要だから、コンビニで発行しておいてもらえるか? 週明けに区役所に提出にいくけど、君が仕事なら俺が――」

「ちょっ、ちょっと待ってください、まさか先生……」

 どんどん具体的になっていく話に純玲は焦る。

「昨日契約したじゃないか。俺と結婚するって」

 純玲とは対照的に泰雅は落ち着き払っている。

 そんな話をしたのは覚えている。お互いの利益の為に契約と言う形の結婚をしようという話になった。
 でも完全に場を和ませるための冗談だと思っていた。 

「あれ、弁護士ジョークじゃ……」

「俺はあんなこと冗談で言わない。お互いに利があると思って提案したんだ。君も了承したよな――知ってるか? 口頭でも契約は有効とみなされるんだよ」

 泰雅はソファーのひじ掛けに体重を乗せながら鷹揚に構えている。

「え……」
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