離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました

「ああ、おかえり純玲。おつかれ」

　純玲に気付いた泰雅は声を掛けてくれた。

「ただいまです。もしかしてご飯、作ってくれてるんですか？」

「カレーとサラダだけの簡単なものだけど」

「すみません、私手伝います」

「後はこのキャベツを切って盛るだけだから大丈夫。着替えて来て。一緒に食べよう」

「はい！」
　
　空腹の純玲は嬉しくなって元気に答える。急いで手洗いうがいをし、着替え、泰雅と一緒にカレーとサラダをテーブルに並べて早速いただく。

「美味しい……一晩煮込んだカレーみたいにお肉が柔らかい」

　彼が圧力なべで作ったというビーフカレーは本当においしいし、サラダのドレッシングは手作りだ。
　口に運びながらおいしいおいしいと感嘆の声が漏れてしまう。

「それは良かった」
　泰雅は純玲の顔を見て満足そうな顔をする。

（こうやってさらっと夕食まで作れるスキルまで搭載されている泰雅さんて……どこか弱点はあるのだろうか）

「今日は早かったんですね。すみません、夕食まで作らせてしまって」
　
　空腹が落ち着いてくると、急に罪悪感が顔をした純玲は今更ながら恐縮する。