離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました
 相変わらず、純玲は泰雅より早く起きることができず、毎日朝食を作らせている状態だというのに。

「所長に『新婚なのに毎日遅くまで働くな』と言われてね。それにちょっと君に確認したいこともあるし」

「確認したいこと、ですか」

「ここのところお互いに忙しくて、ゆっくり話もできなかっただろう? これ食べたら話そう」

 首を傾げる純玲に言うと泰雅はカレーを頬張った。

 食事が終わり、泰雅は食洗器に食器をセットしてくれる。その間に純玲はコーヒーを淹れる。

 リビングのガラスのローテーブルの上にマグカップをコトリと2つ乗せ、自分も泰雅の横に腰掛ける。
 ありがとうと泰雅はカップを口に運び、やっぱり純玲の淹れるコーヒーは旨いなと言ってくれる。

「仕事はどうだ? 社長秘書はいろいろ気を遣うだろう?」

 どうやら泰雅は純玲の新しい職場のことを気に掛けてくれているらしい。たしかに自分に務まるか心配で相談したこともあったから心配してくれているようだ。

「そうですね。まだ緊張しますけど、少しだけ慣れてきた気がします」

「社長とはよく話をするのか?」
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