離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました
「とにかく恥ずかしいなんて思ってないです。むしろ泰雅さんみたいな素敵な人の奥さんが私でいいのかと思うくらいなんですから」

 だれか自分の弁護をして欲しい。逃げ場のなくなった純玲は口を突き出して大人げなく拗ねてむくれてしまう。

「……そんな、かわいいことを、かわいい顔で言ったってだめだ」

「え?」
 今のどこが!? と言おうとしたのだができなかった。

「俺の妻だっていう自覚を持ってもらうために『夫婦らしいこと』をするか」

 泰雅の言葉と同時に純玲の身体はヒョイと持ち上げられ、泰雅の膝の上に横抱きにされたのだ。

 思いがけない状況に、純玲は目をまん丸にする。泰雅の顔がすぐ横にある。
 抱き込まれて固まる純玲の頬を彼の大きな手が撫でた。

(夫婦らしいこと、ってまさか……)

「で、でも……」

「あの夜から、何もしてこなかったのにって思ってる?」

「……!」

 純玲の心を読んだような彼の言葉にボフッと顔が赤くなる。

「君はベッドに入るとすぐに寝てしまうだろ。新しい生活に新しい仕事、疲れてるってわかってた。だから気持ちよさそうに寝ている君にどうこうしようとは思っていなかった」
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