離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました

「純玲っ、まだ早いけど私と一緒に恋活する？　合コンでも行ってあんなやつよりもっといい男ゲットしたらいい！」

　思いのほか響いてしまった声にハッとした泉は慌てて言う。

「純玲、ごめん……つい声が大きくなってた」

「いいよ、泉が興奮すると声が大きくなるのは知ってるから」

　思わず立ち止まってしまった泉を笑顔で促してその場を去ろうとしたのだが、後方からクスクスと笑い声が聞こえて来た。瑠美たちだ。

「なんか、気の毒ねぇ」「必死に男を探しているみたい」とわざとこちらに聞かせるように言いあっている。

　彼らの存在に初めて気づいた泉は、さらに申し訳なさそうな顔で純玲を見る。

「大丈夫だから」
　
　まともに取り合わない方がいい。気にしないで行こうと純玲は促す。
　すると瑠美が笑って言う。

「純玲ちゃんじゃ、合コン行っても相手は見つからないわよ。どうしたって生まれ持った地味さ？　あ、ごめんね……平凡さ？　は隠せないじゃない。でも、うまく社長秘書になれて良かったわね。結婚しなくても仕事一筋でやっていけるもの」

「瑠美ちゃん……」