素直になれないお姫様の初めてのベッド事情
★ そういうと、意地悪な王子様は、頭の先から、つま先まで丁寧に優しく触れながら、軽く触れるだけのキスを全身に繰り返す。

「ンッ……千歳っ……」

身体の芯から熱くなってきて、口からは、甘い声が、我慢できずに転がっていく。

「あ……だ、め……」 

「いいよ、僕がそうさせてる」

千歳の指先で、快楽はすぐにやってきて、寄せては返す波のように、何度も繰り返されて目の前が白く染まる。

水音と自分から漏れる甘い声がやけに響いて、恥ずかしくなった私は、口元を覆った。
  
そして、その掌はすぐに千歳にシーツに縫い付けられる。

「だめ。もっと声聞きたい」 

「あ……やめ……ンンッ……」

千歳は、私の反応を見ながら、心地よい場所ばかりを探りあてて、私の体は何度も跳ね上がる。 

「やっ……千歳……だ、め……」 

「実花子のイクとこみせて」

こんな状況でも、涼しい顔して、平然と私を見下ろす目の前の王子様が、恨めしくなる。

「千……歳っ……」

「いいよ」

お腹の中に溜まっていた熱が、一気に解放されたと同時に、千歳の指先が抜き出されて、私をギュッと包み込んだ。
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