俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない
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「――どうしてお前がまた来てるんだ」
仕事を終えて自宅に帰ると、芙美の従弟の陸がいた。ダイニングテーブルで芙美の手料理を嬉しそうに食べている。
「早瀬さん、おかえりなさい。お邪魔しています」
唐揚げを口いっぱいに頬張りながら陸がぺこりと頭を下げた。
いったんリビングを出て自室に向かい着替えを済ませる。再び戻り、陸の斜め向かいの席に腰を下ろした。
するとすぐに芙美が俺の分の夕食をテーブルまで持ってくる。
「唐揚げたくさん揚げすぎちゃって。たくさん食べてくださいね」
確かに唐揚げがお皿の上にこんもりと盛られていた。
「いただきます」
手を合わせてから箸を持てば、俺の隣でそれを見ていた芙美が「どうぞ」と微笑む。彼女はすでに食事を済ませたらしく、後片付けが残っているのかキッチンに戻っていった。
食事を取っていると、斜め前から視線を感じる。
「なんだ」
ちらっと陸を見て声を掛ければ、「いや、なんか……」と口を開く。
「芙美ちゃんと早瀬さん、この前よりも雰囲気が柔らかくなったような。前は夫婦なのにどこかよそよそしさがあったというか、特に芙美ちゃんが早瀬さんに遠慮しているように見えたけど、今はそれがなくなっている気がして」
「夫婦っぽくなかったと言いたいのか」
まぁ、本当の夫婦ではないからな。そんなことを思いながら唐揚げを口に入れると、陸が大きく頷いた。
「そうです。でも、さっきのやり取りを見ていたら、夫婦なんだなぁって思いました」