俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない
「メンタルが強くなるための本はどうだ。今あいつに一番必要なのはそれだろ。本でも読んで、あのへなちょこメンタルを鍛えろ」
「……幸也さん、真面目に答えてください」
誕生日にメンタルトレーニングの本を贈るというのはどうなのだろう。プレゼントには向いていない気がする。
「それか、ストレス解消グッズはどうだ」
幸也さんが別の案を出してくれた。
「クッションとか枕とか、入浴剤、アロマ、あとは食べ物だな」
「それいいですね!」
医学部の勉強に加えて病院実習もしている陸くんは心身ともに疲れ果てているようで、本来を明るさを失いつつある。それでも逃げ出さず、医者になるという夢に向かって頑張っている陸くんを応援したい。
「幸也さん。陸くんへのプレゼント選び、もう少し付き合ってくれますか」
炎天下の中、店から店へと歩き続けて疲れていないだろうか。
せっかくの休みなのでゆっくりと家で疲れを取りたいはずだし、読みたい医学書や論文だってあるはずだ。自分から誘ったとはいえ、朝から付き合わせてしまったことを途端に申し訳なく思った。
「今日は一日お前に付き合うよ。それに、これはデートでもあるからな」
「デート」
その響きに胸がトクンと甘く高鳴る。