俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない



 ***

あっという間に翌週になり、陸くんの誕生日を迎えた。

当日は会うのが難しいと思ったけれど『芙美ちゃんに会えるなら必ず時間を作るから』と陸くんが言っていた通り、誕生日に会うことができた。

待ち合わせが午後七時だったので一緒に夕食も取ることにして、陸くんの希望もありお好み焼きが食べられるお店に入った。

誕生日なのだからもっと贅沢できるお店に入ってご馳走しようと思っていたけれど、陸くんは子供の頃からたこ焼きや焼きそばなど夏祭りの屋台にあるような食べ物が好きなのでお好み焼き店でいいのだろう。

以前、幸也さんから男性とふたりで外食をするのは好ましくないと言われたので、陸くんと会うことは事前に伝えてある。

『あいつは無害だから』というよくわからない理由で食事に行ってもいいことになった。

ふたりでお好み焼きを作り、楽しく談笑しながら食事は進み、誕生日ケーキの代わりにデザートを注文したあとでプレゼントを渡した。

「ありがとう芙美ちゃん! めちゃくちゃ嬉しい! タンブラー欲しかったんだよね。大事に使うし、この紅茶も芙美ちゃんのことを思いながら味わって大切に飲むから」

さっそく包みを開けた陸くんが大袈裟なほどのリアクションで喜んでくれるので、プレゼントを渡した私も嬉しくなる。

実は、もうひとつあるのでそれも渡すことにした。
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