俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない
人命救助
幸也さんとの関係がぎくしゃくしてから一週間が過ぎた。
仕事が忙しいのか、彼は病院にいる時間が長くなり、帰ってきても必要最低限の会話しか交わさない。私たちの間にはあきらかに溝ができていた。
きっかけは間違いなく私だ。
「――芙美ちゃん。最近ため息が多いけどなにかあったの?」
お昼休憩の時間になり、ナースステーションの隣にあるスタッフルームでお昼を食べ終えた私は、プレイルームに新しく飾る予定の折り紙を無心で折り続けていた。
無意識にため息がこぼれていたのかもしれない。少し前にスタッフルームに入ってきた未華子先生が対面のイスに腰を下ろし、心配そうに眉を下げる。
「悩み事があるなら相談に乗るよ」
彼女の言葉に、折り紙を折る手を止めた。
私の口から自然とため息がこぼれるのは、幸也さんとの関係について悩んでいるから。
未華子先生に相談してもいいのだろうか。
一瞬迷ったものの、相談できるとすれば幸也さんとも私とも仲が良い未華子先生しかいないと思った。
それに、今ここにいるのは私たちだけなので、誰かに話を聞かれることもないだろう。