俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない

「どうすれば仲直りできますか?」

幼馴染の未華子先生なら私よりも幸也さんのことをわかっているはず。彼の機嫌を直す方法を知っていると思い尋ねると、未華子先生はにんまりと笑った。

「簡単よ。早瀬くんに芙美ちゃんの愛をたっぷりと伝えるの」
「私の愛を?」

ふわっとしたアドバイスに首を傾げる。それを見た未華子先生が続きを教えてくれる。

「まずは早瀬くんにヤキモチを焼かせてしまった原因となった行動について謝る。もう同じことはしないと約束をするの。そのあとで早瀬くんに抱きついて、あなただけが大好きだよーって可愛く甘えればいいのよ」
「えっ……」

抱きついて、可愛く甘える。

そんな大胆なことが私にできるだろうか。

「意外と早瀬くんはストレートな愛情表現に弱いのよ。芙美ちゃんにスキンシップ攻撃されたら、さすがに今の態度を改めると思うけど」
「本当にそれで仲直りできますか?」
「もちろん。幼馴染の私が言うんだから間違いなしよ」

不安は残るものの、私よりも幸也さんに詳しい未華子先生が言うのだからそうなのだろう。さっそく今夜、幸也さんが帰ってきたら実践してみよう。

少しだけ気分が上に向いたタイミングで、これから休憩に入る看護師さんたちがスタッフルームに姿を見せたので、私たちの会話はそこでおしまいになった。
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