俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない

「そういえば、早瀬先生はどうしてこちらに?」
「そうだ、忘れてた」

俺自身もうっかりここに来た本来の目的を忘れそうになっていた。島野をからかいに来たわけでも、折り紙を壁に貼り付けに来たわけでもない。

「お前に話があるんだけど、このあと飯でもどう?」
「えっ、飯……食事ですか? ……話って?」
「ここだと話せない内容だから、どこか場所を変えて飯でも食いながら話そうって誘ってるんだけど」

突然の俺の誘いにどうやら島野は動揺しているようだ。

「それは未華子先生も一緒ですか?」
「成田? いや、俺とお前のふたりだけ」
「早瀬先生と私のふたりだけ……」

島野は考え込んでいるようだが、俺とふたりで食事に行くことは、そこまで深く頭を悩ませることなのだろうか。

唐突な誘いではあるし、ふたりだけで食事というのも初めてなので動揺する気持ちはわからないでもないが。

「で、俺と飯に行ってくれるの?」

返事を急かせば、島野のくりっとした目が俺を見つめる。

「はい、行きます。お話があるんですよね」
「じゃあ職員玄関を出たところに車着けて待ってる。着替えたら来て」

そう言い残して、プレイルームをあとにした。
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