俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない

彼女の年齢は私よりも十歳上の三十六歳。六年前に郡司総合病院にやって来たので、勤続年数としては私とほぼ同じになる。

そんな縁もあり、医師とクラークという垣根を越えて、未華子先生とは普段から仲良くさせてもらっている。

明るくて気さくな性格なので、同僚の医師や看護師、入院中の子供たちからも慕われている女医さんだ。

食べることが好きらしいけれど、すらりと背が高く細身でスタイルがいい。忙しいはずなのに化粧もしっかりとしているし、美容にも気を配っているので肌も張りがあってつやつや。

未華子先生はとても魅力的な女性だ。

「あっ、そうだ芙美ちゃん」

口の中のものをごっくんと飲み込んでから、未華子先生が思い出したように口を開いた。

「あかりちゃんがプレイルームに飾ってある折り紙の猫の折り方を教えて欲しいんだって。あと、リスとパンダとゾウも」

小児科病棟にはプレイルームといって、入院している子供たちの心身の成長や発達促進を目的とした玩具や絵本などが置かれた部屋がある。

子供たちにとって居心地の良い空間になればいいなと思い、小児科病棟のクラークになってからは得意の折り紙で動物や人気キャラクターを折ってはプレイルームの壁に装飾することを続けている。
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