俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない

早瀬先生は仕事ばかりしている人だと思っていたけれど、普段から体を鍛えているのだろうか。ちらっと見えた胸板にはほどよく筋肉がついていて、意識していないとついそこを見つめてしまいそうだ。

視線を泳がせていると、フローリングスペースに置かれたセミダブルのベッドが目に入った。

そして今になってふと気付いてしまう。

今夜は早瀬先生と隣同士のベッドで眠るのだ。考えただけで緊張して、お風呂上りの火照りとはまた違う熱で全身が熱くなる。

「男風呂けっこう人が多かったけど、そっちはどうだった?」

真っ白なシーツの敷かれたセミダブルのベッドを見つめていると、早瀬先生の声が聞こえてハッとなる。

慌てて彼に視線を戻すと、襟元から覗くセクシーな胸板が見えてパッと視線を逸らした。

私はいったいどこを見ればいいのだろう。目線を落としてテーブルの隅の模様を見つめることにした。

「女風呂も人が多かったです。やっぱり夕食までに一度は大浴場に行く方が多いんですね。露天風呂も入りたかったけど混んでいたのでやめました」
「露天風呂ならそこにもあるだろ」

早瀬先生が親指でクイッとガラス張りの窓の方を指すと、テラスには広々とした檜風呂がある。
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