俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない
夕食を終えても寝る時間にはまだ早いので、庭園を散策してみることにした。
そのあとで部屋に戻ると、少し歩いたからか夕食をたくさん食べて膨れていたお腹からは満腹感が消えてすっきりとしている。
「露天風呂にでも入ってくれば?」
座椅子に腰を下ろした早瀬先生が私に向かってそう言った。
「早瀬先生はどうしますか」
私としてはやはり彼に先に入ってもらいたい。そんな意味で尋ねたのだけれど、早瀬先生は別の意味に捉えたらしい。
「それ、一緒に入ろうって誘ってる?」
早瀬先生が意地悪な笑みを浮かべるので、からかわれているのだと気が付いた。
「誘ってません。早瀬先生が先に入ってください」
「俺はお前のあとでいいよ。だから先に入ってこい」
「いえ、早瀬先生がお先にどうぞ」
お互いに譲り合って、どちらが先に入るのか決まらない。
軽くため息をこぼした早瀬先生が立ち上がり、こちらに向かって歩いてくると目の前でぴたりと足を止めた。
「お前は意外と強情なやつだな。俺が先に入っていいって言ってるんだから大人しく入ってこい」
手首を掴まれて脱衣室の方に連れていかれる。そこに押し込まれると、早瀬先生が扉をぴしゃりと閉めた。