俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない
するとそれに補足をするように未華子先生が口を開く。
「明日は抜糸でしょ。傷の治りが問題なくて点滴も抜けたらシャワー浴も可能かな」
「そうか。順調ならよかった」
早瀬先生がうどんをするすると素早くすする。彼もまた未華子先生と同様で、限られた時間内で食事を取る習慣でもついているのか、食べる速度がいつも速い。
「早瀬くんはうどんだけで足りるの? 私の生姜焼きを分けてあげる」
未華子先生が自身のお皿からお肉を箸で掴むと、それを漬物が乗っていた小皿に移してから早瀬先生の前に置いた。
「よかったら食べて」
「じゃあ遠慮なく」
早瀬先生が生姜焼きを箸で掴み口の中に入れると、未華子先生が「美味しいでしょ」と微笑む。それに対して早瀬先生が「もう冷めてるな」と味ではなくて温度の感想を言ったからか、未華子先生は不満そうに口を尖らせた。
「あげなきゃよかった」
早瀬先生の腕をグーで叩く未華子先生。けれど、早瀬先生は特に気にする様子を見せず、うどんをすすっている。
そんなふたりの様子を見た私の胸がズキンと痛む。
相変わらず仲良しだなぁ……。