俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない
「幸也、さ……んっ」
名前を呼んだ瞬間、早瀬先生の顔がぐっと近づいて、噛みつくように唇を重ねられた。
驚いてとっさに身を捻り逃げ出そうとすれば、そうはさせないとばかりに彼の手が私の両手を掴んで一纏めにし、頭の上に縫い留める。
唇をこじ開けられ熱い舌が入り込む。戸惑っていた私の舌はいとも簡単に掴まってしまい、彼の舌の感触がダイレクトに伝わり脳を揺さぶった。
目を閉じれば、体中に甘い熱が広がっていくようだ。
いったん唇を離した早瀬先生が私に跨ったまま膝立ちになり、真上から見下ろしてくる。欲情するような熱い眼差しを向けられて、ぞくぞくとした寒気のような感覚が背筋を走った。
この状況でこれから先になにが起こるのか、さすがにもう理解している。
早瀬先生が自身の上着に手を掛けると躊躇なく脱ぎ捨てた。引き締まった美しい体が露わになり、つい見惚れてしまう。
一緒に暮らしていればシャワーを浴び終えた彼が上半身裸でリビングをうろうろしている場面にたびたび出くわすのだが、あえて見ないようにしていた。それなのに今は、がっしりと逞しい胸板から目が離せない。
「……かっこいい」
思わず漏れてしまった自分の声にハッとなる。慌てて視線を逸らすと、早瀬先生がくくっと微かに笑う声が聞こえた。
大きな手に優しく頬を包まれて、逸らした視線を戻される。