切れない縁
電車の中の井上さんは無言だった。

私が降りる駅に着き
「お疲れ様でした。じゃあまた月曜日に」と私がいうと、
「あ、俺送る。」と言って井上さんも一緒に降りた。

「あの、今日はまだ明るいですし、大丈夫ですよ?」

「イヤ、ちょっと話しがあるんだ」

「話しですか?」

「うん。行こう」と井上さんはスタスタと改札を出て、後ろから小走りで改札を通った私を待っていた。
「あそこの喫茶店に入ろう。」

「はい。??」

カランコロン♪と喫茶店のドアを開けて空いている奥の席に座った私たち。
コーヒーを注文した。
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