切れない縁
健一郎のアパートへはバスに乗って向かい、降りたバス停のコンビニスーパーで買い物をしてアパートへ入った。

「健一郎、部屋きれいにしてて安心したわ」

「もしかしてゴミ屋敷みたいだと思った?」

「まぁね。ふふふ。手を洗ったら普段着に着替えて煮〆を煮込むね」

「うん。タオルはコレ使っていいよ」

「うん」

お煮〆はいつもの量を作って、余ったら明日にでも健一郎が食べるだろう。
冷蔵庫を見てみると少しは自炊しているのがわかった。
「自炊して頑張ってるんだね」

「え?冷蔵庫みてわかるの?」

「まぁね〜」

健一郎が勉強してる間に煮〆も味が染みてきた。
冷蔵庫を見ても余りご飯はないので煮〆に使う鶏肉を少し使いチキンライスを炊いた。
マッシュルームもあれば良かったが…
まぁしょうがない。

「なんかいい匂いがしてきた〜」

「チキンライスを炊いてるからかな?」

「やっぱり主婦はすげぇなあ」

「専業主婦をなめんなよ〜ハハ」

「ねぇ母さん、炊き込みご飯って難しい?」

「炊き込みご飯の素ってあるでしょう。アレを説明通りに作れば簡単だよ。
のりがあればおにぎりにしたりできるし」

「簡単なら、今度やってみるわ」

「失敗は成功のもとだから頑張って〜」

「失敗が前提とは悔しい〜」

こんな会話をしながら夕飯を2人で食べた。
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