切れない縁
親父が警察署の名前やら住所を聞いていたのでナビに登録して出発した。

********

やっと警察署に到着した。

隆二の遺体確認は……
警察官からお袋と健一郎はロビーで待つように指示された。

親父と俺と長谷部で遺体安置されている部屋へ入った。

あまりにも酷い…
昔、隆二が怪我をして8針縫ったひざの跡で、本人確認をした。
親父は立ってるのがやっとっという感じで、長谷部が支えてロビーへ連れて行ってくれた。

ロビーにいた長谷部が葬儀屋の手配をしてくれた。
隆二の遺体は、この地域の葬儀屋の車に乗せ、
実家近くの葬儀場へ直接向かう事になった。

俺たち家族は、不倫相手の家族が来る前に警察署を出発した。

健一郎の携帯から美波ちゃんへ連絡する。
〜…〜…
「美波ちゃん。お久しぶりだね。この度は本当にゴメンな。」

「あ、お義兄さん。家族会議したんですか?」

「美波ちゃん、落ち着いて聞いて欲しいんだけど…
……隆二が事故で亡くなったんだ。」

「え!隆二さんがですか!……え、うそ…まさか…
もしかして…村瀬さんもですか」

「ああ。2人が乗った車が崖下に転落したんだ…
美波ちゃんこれから家に戻れるかなぁ
葬儀もあるし…」

「……はい。でも夜中になると思います」

「どこから来るの?」

「仙台です」

「わかった。気をつけて帰ってきてな。
健一郎もいるから代わるな」

「もしもし母さん…父さんが…うん。うん。わかったじゃあまた」ピッ!

「おじさん。母さん泣いてたわ…」

「うん……本当に隆二は馬鹿だ!本当にバカだ」

浩一おじさんは怒り。
婆ちゃんはずぅーと泣いている。
爺ちゃんは無言のままだった。
俺はまだ父さんが死んだ事が信じられなかった。

***
夜中、葬儀場に隆二の遺体とみんなが到着した。

母さんも東京駅からタクシーで葬儀場へやってきた。
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