切れない縁
長谷部弁護士が帰ってから

お義母さんがポツリと
「お父さんが言うようにバチが当たったのかもね」

「父さんはさ…俺と母さんを捨てるつもりだったのかなぁ…
もしあのままウチに帰ってきたら離婚届にサインしただろし…」と健一郎。

「アイツは多分、美波ちゃんにはバレてないと思って次の転勤で別れるつもりだったかもしれない…」

「同期だった2人だし、長い付き合いだから真剣に考えていたかもしれません」と私が言うと

「今更、死んだ者の事をアレコレ考えるのはやめよう。無意味だ。」と珍しく強い口調のお義父さん。

「そうだな!あ、今日の夕飯にと思ってジンギスカン買ってきたからみんなで食べようぜ!」

「じゃあ、美波ちゃんと明日香さんにも手伝ってもらって準備しましょうか」

「浩一。冷蔵庫からビール持ってこい」

「ハイハイ」
とお義父さんと浩一お義兄さんは飲みだし、私たちはご飯を研いで炊き始め、野菜を切ったり準備した。

明日はお坊さんの都合で午前中にお墓参りとなった。

浩一お義兄さんたちは2泊して北海道へ帰る予定。
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