壊れるほどに愛さないで
第3章 見えない足音
「今日も内緒にして。俺、マジでクビになっちゃうし」
隣で営業車のハンドルを握りながら、雪斗が、冗談めかして笑う。
「美織、二日酔い大丈夫?」
「えと……あの、うん」
雪斗が、プッと笑った。
「あはは、美織、今、敬語使いそうだった?」
「まだ慣れなくて……あと、雪斗、その昨日は、本当に有難う。次からは……飲みすぎないようにするね」
雪斗、と言葉にするだけで、心臓がドキドキしすぎて苦しい。見れば、雪斗の頬がほんの少しだけ赤くなっている。
「雪斗、大丈夫?顔少し赤いけど、風邪とか……引いてない?」
昨日、私にベッドを譲って、雪斗は、朝方まで、ソファーに身一つで眠っていたからだ。
「やば」
「え?」
赤信号で停まると雪斗が、ようやく私を見ながら、恥ずかしそうに笑った。
「なんか、分かんないんだけど、美織に、雪斗って呼ばれたら……嬉しくて……照れるってゆーか……あー、何言ってんだろな。やっぱ忘れて」
私は、思わず笑っていた。何だろう。雪斗といる時の空気感というか、会話のやりとり一つでも、その時間がとても愛おしく思いそうになる。
隣で営業車のハンドルを握りながら、雪斗が、冗談めかして笑う。
「美織、二日酔い大丈夫?」
「えと……あの、うん」
雪斗が、プッと笑った。
「あはは、美織、今、敬語使いそうだった?」
「まだ慣れなくて……あと、雪斗、その昨日は、本当に有難う。次からは……飲みすぎないようにするね」
雪斗、と言葉にするだけで、心臓がドキドキしすぎて苦しい。見れば、雪斗の頬がほんの少しだけ赤くなっている。
「雪斗、大丈夫?顔少し赤いけど、風邪とか……引いてない?」
昨日、私にベッドを譲って、雪斗は、朝方まで、ソファーに身一つで眠っていたからだ。
「やば」
「え?」
赤信号で停まると雪斗が、ようやく私を見ながら、恥ずかしそうに笑った。
「なんか、分かんないんだけど、美織に、雪斗って呼ばれたら……嬉しくて……照れるってゆーか……あー、何言ってんだろな。やっぱ忘れて」
私は、思わず笑っていた。何だろう。雪斗といる時の空気感というか、会話のやりとり一つでも、その時間がとても愛おしく思いそうになる。