俺は◯んで、幼なじみの体を乗っ取った
帰りのホームルームが終わると、里香といつものように駅に向かって歩いていた。

気になることがあったので、駅で里香と別れたあと、学校に引き返した。

学校に入って行くと、部活をしている生徒の活気ある声が聞こえてきて何だか胸が熱くなった。

こんなことになるなら、運動部にでも入って何か部活をやればよかったな。

もっと青春を謳歌すればよかったな。

って鑑賞に浸ってる場合じゃない。

今何しに来たかと言えば、教室に行って確かめたいことがあったんだ。

下駄箱で上履きに履き替えて教室に向かった。

廊下を歩きながら他のクラスの教室を覗いてみると誰一人として残っている生徒はいなかった。

俺のクラスも誰もいないと思って開けっ放しの後ろのドアから中に入ろうとすると、人の気配を感じたので慌てて足を止めた。

身を潜めながら、気付かれないように中の様子をうかがってみた。

すると意外な人物が教室に残っていた。

凪沙の親友の木下萌歌だった。

しかも、何故か萌歌は俺(克己)の席に座り両手を顔に押し当てて肩を震わせていた。

もしかして泣いているのか?

でも何で?

それに何故に俺の席で?

訳がわからない…

それからしばらくしてから萌歌は椅子から立ち上がると、机の下に潜り込んで机を見上げていた。

何してるんだ?

そこに何かあるのか?

すると萌歌は次に持っていたペンで何かを書き始めた。

萌歌のやつ、俺の机に落書きをしてやがる…

声をかけて注意しようかとも考えたけど、今の俺は凪沙な訳でそんなことをするメリットが何もなかったのでやめた。

そして何かを書き終えた萌歌は教室を出て行った。
< 253 / 368 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop