俺は◯んで、幼なじみの体を乗っ取った

歩きながら考えていたことがあった。

萌歌の俺に対する想いは知ることが出来たし、受け入れることも出来た。

だとしたら凪沙はどうだったのだろうか？

親友でいつも一緒にいて、とても仲の良い萌歌の気持に凪沙が気付いていなかったとは到底思えない。

きっと凪沙は萌歌の俺への気持に気付いていた。

仮にもし、凪沙が萌歌の気持に気付いていたとしたら…凪沙は萌歌の想いを踏みにじるようなことは決してしないだろう。

凪沙は俺をずっと好きでいてくれたけど、親友である萌歌の気持を知ってしまったとしたら、自分の気持を押し殺してでも萌歌の想いを大切にしたに違いない。

更にそんな中、里香から俺に告白することを告げられた。

凪沙は萌歌と里香の想いを知ってしまい相当苦しんだに違いない。

それなのに俺は凪沙に里香から告白されたことを相談した。

凪沙が止めてくれるなら里香とは付き合わないと残酷なことを言ってしまった。

そして凪沙は萌歌も里香も誰も傷つけない道を選んだ。

たとえその選択が自分を犠牲にしようとも凪沙はその選択を選んだ。

ホントにバカだよお前は…

いつもそうだった。

たとえ自分が不幸になろうとも、凪沙は周りの人間の幸せを願って行動してきた。

いっつも損な役回りばかりしてきた。

もっと自分の幸せだけを考えてれば苦しむことなんてなかったはずなのに…。