俺は◯んで、幼なじみの体を乗っ取った
そんな勉強づくしの毎日だったけど、夏休みに開催された花火大会や夏祭りには里香と浴衣を着て一緒に行った。

屋台でたこ焼きやチョコバナナ、あんず飴を買って食べた。

楽しかった。

良い思い出が出来た。

時々思う事がある。

俺は死んでしまったけど、凪沙の体の中に入り、楽しくて幸せな生活を送らせてもらっている。

これはきっと神様がくれた俺への最後のプレゼントなんじゃないかと。

そうじゃなきゃ、死んだ人間の魂が他の人間の体に宿るなんてありっこない。

俺は凪沙の体に入って親友の勇斗とSとバカをやって楽しんだ。

大好きな里香とも一緒にいられた。

思い残す事はない。

いつ消えてしまっても構わない。

ただ大学受験だけは俺の最後の大仕事だと思っている。

体を使わせてもらった凪沙への感謝。

そして、俺を小さいガキの頃からずっと好きでいてくれたのに、その気持ちに応えてあげられなかった謝罪の気持ち。
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