俺は◯んで、幼なじみの体を乗っ取った
「三上くんも結城さんの事が好きだった。私にはわかるの。ずっと三上くんの事見てたから。わかってたけど、私は三上くんの事が好きで好きで自分の気持ちを抑えられなかった」

「私はカッちゃんの事なんか…」

「好きなんだよね?今でも…」

「それは…」

「正直になろうよ」

「そっ‥そうだね。私はカッちゃんの事が好き。今でも大好き。カッちゃんの事を1番知ってるのは私だと思ってるし、カッちゃんを好きな気持ちは誰にも負けないって思ってる。でもね、カッちゃんは私じゃなく里香ちゃんを選んだんだよ。そして里香ちゃんを本気で愛してる。私なんかが入る隙なんてどこにもないよ」

「もう一つ教えて」

「何?」

「木下さんの事…」

「萌歌の事?萌歌がどうかした?」

「結城さん、知ってたんでしょ?木下さんが三上くんを好きなこと…」

「・・・・・」

知らない訳がない。

気付かないはずかない。

誰よりも一緒にいて、誰よりも近くにいて、誰よりも萌歌を知っているんだから…。

「やっぱり…私は最近そのことを知ったの。たまたま係の仕事があって朝一番で教室にやって来た時、木下さんが三上くんの机に花の入った花瓶を置いてるのを見ちゃったの。最初は目を疑った。私は木下さんは三上くんを嫌ってると思ってたから」

「でも、それだけじゃ萌歌がカッちゃんを好きかどうかなんてわからないよね?」

「木下さん、毎日放課後に三上くんの席に座って泣いてるの。確信に変わった。そして何で木下さんが三上くんに対してあんな態度をとっていたのかもわかった」

「そうね。萌歌はカッちゃんの事が大好きだね」

「結城さん、あなたは木下さんと私が三上くんを好きな事を知ってしまったから、自分の気持を押し殺してきた。本当なら両想いで幼なじみの結城さんと三上くんが付き合うのは自然の流れだったはずなのに…」

「どんなに両想いでも幼なじみでも必ず結ばれるとは限らないの。それは小さい頃からずっと一緒にいたからわかってた。それに里香ちゃんと萌歌がカッちゃんを好きなのを知ったのが原因じゃないから気にしないで。人生色々あるんだよ」
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