余命1年の人生
そして着いた見慣れた場所

ショッピングモール

「浴衣コーナーはー…あ、1階でこの先の奥の店だって」

モールに入ってすぐ案内場所と書かれた壁にはられている看板を見て浴衣コーナーを探す私たち

「俺も夏祭りの日、被らなければ夏祭りに行こうと思う。だから念の為に甚平でも買っていこうかな」

鮫島くんは私の右手をモールについても離さないでいたから、私も無理やり解こうとは思わなかった

周りから私達はどう見えているのだろうか

「あっ、急に来たから帽子もサングラス持ってきてねぇや」

「あ、鮫島くん…芸能人だった」

「ほんとだ、すっかり忘れてた」

「じゃあ、先に帽子売ってる店に行こうよ。そこでサングラスも買っちゃえ」

と言って浴衣コーナーは後にして、先に帽子屋さんを目指す私たち

かなり奥の方にあったらしく、たどり着くまで遠かった
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