余命1年の人生
「ケンカなんて珍しい」

「ほんとにね、学校があるから泣かないようにしてたの」

蛍さんってそういえば一度キレるとものすごく怖かったっけ?

「そうだったのか」

俺はこんな時なんて言葉をかければいいのか、わからずひたすらホッチキスを打ち込む

「鮫島くんはさ、喧嘩したことある?友達とか、過去に好きな人とか」

琴美のその言葉でホッチキスを持っていた手がピタッと止まった

「……」

「……」

「あ、ごめんね、踏み込んじゃいけないこともあるよね。口走っちゃった、資料作りしよっと」

琴美は机に置いてあるホッチキスを手に取った

俺の右隣にはすごく可愛いと噂の琴美

そんな俺は小さい時から琴美のことが大好き

でも、このままでいいのかと思う俺がいる

そんなことを考えていると体が勝手に動いた
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