余命1年の人生
「えっ、が、ん???」

姉貴の声のトーンが明らかに低くなった

「そうなんです。でも数時間前まで琴美は私たちと楽しそうにバスケをしてたんです。でも突然琴美は倒れて…」

「女子たちが何度呼びかけても反応がなくて」


「俺も、友達と楽しく、バスケしてて、でも、明らかに女子たちの声が、一段と大きいから、見に行ってみたら、琴美は既に倒れてて、」

「達哉…」

「ごめん、ちょっと頭冷やしてくる」

俺は待合室を離れると、中庭へと向かった

中庭に行くと子どもが無邪気に走り回っていた

空は晴れてるのに俺の心は曇り空だ

中庭にある自動販売機で飲み物を買うと、備え付けられているベンチに座った

そして1人になるとまた溢れてきた涙

俺は俯きがちに泣きじゃくった

子どもみたいに
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