余命1年の人生
「久しぶりっすね、というか何年ぶりですかね?俺の幼なじみもう1人は智宏だけど、まさか高校に綺菜実がいるなんて思わなくて…」

「ごめん。全然思い出せない」

鮫島くんは車に乗った時からずっと私の手を離さないでいる

そしてその手を何故か分からないけど、振り払えない

でも不思議なんだよね

振り払えないんじゃなくて、あまりにも鮫島くんの手が暖かいから、そんなこと思ってるんだと思う

「そのうち思い出すだろうから、今は何も考えるな」

お兄ちゃんは私がなぜ記憶を失ってるのか、鮫島くんとは再会だとか全て知ってるはずなのに、あえて何も言わない

「うん、分かった」

家に着くまで鮫島くんとお兄ちゃんがずっと話しをしていてわたしもたまに話したりしたからあまり退屈しなかった
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