余命1年の人生
お母さんもたまには休めばいいのにとは思うけれど、お母さんは大手企業のれっきとした社長だ

無理を言ったらダメだよね

「飲み物買ってきたけど、飲める時にでも飲めばいいからな、俺は面会時間過ぎるまでいるから安心しろ」

お兄ちゃんはさっきペットボトルを持っていたから手は濡れてた

でも何故かその水滴ですら気持ちよかった

個室だから会話はできるけどあまり大きい声で喋ってると周りに迷惑になるから、私は声を抑えながらお兄ちゃんと会話をした

お兄ちゃんと話してると私は眠くなってきたのか、まぶたが重くなってきた

「眠くなってきたのか?寝てもいいぞ?俺はどこにも行かねえって」

「うん…ありがと」

お兄ちゃんは私が寝ても右手をずっと握っててくれた

夢を見てても暖かかったから

眠りから覚めると仕事終わりの鮫島くんがいた

肩には先月同様黒くて重そうなものものを抱えていた
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