大嫌いで愛しいもの

お昼の罪悪

『お昼の罪悪』



目が覚めて,最初に悲しくなるのは嫌。

空腹と,外にいなくてはいけないような,明るい太陽の光。

大半を無駄にしたような,ひどい消失感。

誰もいないリビングで,ひとりぼっち。

だけど,嫌いばっかりじゃないの。

独りじゃないと母の布団に勝手に包まれるのも,せめてと興味のないニュースを垂れ流すのも。

全部どうしたって好きなのだから。

皆は今頃何してる?

たまに泣いてしまう,その時が嫌いなだけ。
< 6 / 13 >

この作品をシェア

pagetop