エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む
12章『離婚旅行 5日目①』

「んっ……」

 ゆっくり目を開けると、外はすっかり明るくなっていた。
 途中、明るくなり始めた空を見た気はしたけど……。

 それくらいずっと彼は私を抱き続けたし、私だってそんな彼に応え続けた。
 数え切れないくらい一晩で抱き合っていても、まだこうしていたいと温かな腕の中で考えてしまう。

「朝……ですね」
「あぁ。……昨夜は俺が勝手に嫉妬して、香澄に無理をさせてすまなかった」

 はっきり嫉妬だと言われると、胸がギュッと掴まれるようだった。

「いえ……」

 何を言っていいのかわからなくて、昨夜から彼の大きな背中に回したままの腕に力をこめる。
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