エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

 ロビーに降り立ってすぐ彼は言った。

「今日のことは、神也には黙っていてくれ。頼んだ」
「わかりました。今日は本当にごちそうさまでした」

 ぺこりと頭を下げて行こうとすると、突然腕が掴まれる。
 驚いて振り向くと、真剣な顔の彼がこちらを見ている。

「少し待ってくれ」
「え? わっ……⁉」

 振り向きざまに、ギュウッと強く抱きしめられる。
 顔が彼の大きくて熱い胸の中に押し込められた。

「す、昴さん……⁉」

(ここ、ホテルのロビーですけどーーーー!)

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