エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

 少しして、昴さんはすっと大きく息を吸った。それから言い放つ。

「やはり離婚はしない。決めた」

「え?」
「もう決めたんだ」

 昴さんは頷く。

(離婚しないって決めた……って、なんで⁉︎)

「勝手に何言って……!」

 私が言葉に詰まっているのに、昴さんは覚悟を決めたようにもう一度頷いて、私の手を強く握った。
< 115 / 219 >

この作品をシェア

pagetop