エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む
「花畑からプロポーズされただろ? それも知ってた。きっとああいうやつといた方が香澄は幸せになるんだろうってことも頭ではわかってる」
「え……」
(し、知ってたの……?)
驚く私に昴さんは続ける。
「でもそれじゃ、俺が嫌なんだ。俺は香澄の幸せを願って、香澄を手放すなんてできない。俺は自分の手で香澄を幸せにしたい」
もうこれ以上聞いたら絶対に頷いてしまう。
だからもう聞きたくないのに、昴さんの目を見てしまう。
彼は揺るがない表情で加えた。
「香澄、お願いだ。もう少し俺のわがままに付き合ってくれ」