エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

 シャワーから出てきた昴さんが、上半身裸なのはかなり目に毒なので今すぐ何か着て欲しい。

 しかし、ついチラリと見てしまった。忙しくて運動なんてしてないはずなのに、なんであんなに筋肉質なんだろう。手術が多いからかな。せっかくなのでもう一度見てしまう。

 男の人の上半身裸なんて、兄ので見慣れてると思ってたけど、好きな人だと全然違うらしい。さすがにもう一回見たらバレちゃうかな? なんて不埒なことを考えてしまった。

 昴さんは私がキッチンにいるのを見て、目を細める。
 私は一人分の鮭と野菜のクリームパスタとスープを作っていて、あとはパスタを茹でるだけだ。

「作ってくれてたのか?」
「よければ……味の保証はできないですよ」
「知ってる」

 意地悪に言って、それから加えた。

「香澄も一緒に食え。それ一人分だろ? 香澄の分は俺が作ってやる」
「え……」
「いいから。せっかくの食事だしふたりで食べたい」
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