エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

 1時間もしない間に、優太先生はカフェにやって来た。

「ここは、まだできたばかりで病棟保育士も、院内保育士も募集してる。もし香澄ちゃんが仕事をしたいと思ってもできるよ」

 あの衝撃の告白から、優太先生から何度か連絡をもらっていた。
 仕事もやりたいならやれる方法を考えようと言ってくれていた。でもーー。

「私が病棟保育士になったのは、昴さんがいたからなんです。恥ずかしいくらい単純な理由だったんです」
「それでも病棟保育士の仕事は好きだったでしょ?」
「それは……そうですが」

 でも、私は同じ仕事に復帰する気はなかった。
 そして――。

「私ね、やっぱり優太先生の気持ちには応えられません。大阪には来れない」

 優太先生の気持ちに応える気だってなかった。
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