エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む
15章『離婚旅行 6日目①』昴side

『香澄、お願いだ。もう少し俺のわがままに付き合ってくれ』

 そう言った俺の言葉に、香澄は涙を流して「そんなわがまま、ずるい」とだけ言った。

「すまない」

 大人げないとは分かってる。ずるいのも分かってた。
 それでも香澄といられるなら、手段なんて選ばないと思った。

 離婚旅行だと香澄は言ったが、その旅行をしたせいで、前よりもっと香澄を離したくなくなったんだ。
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