エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む
これまでは、まず病院の業務の方を整理することばかりで彼女に向き合う時間が取れなかった。
だからこそ、これからもっと彼女といる時間を増やす必要があるし、自分もそうしたいと思っていた。
香澄は続ける。
「正直に言えば、本当は気持ちをちゃんと伝えないまま、昴さんと別れてしまいたかったのに」
「そんなこと許さないからな」
俺が言うと、香澄は小さく眉を寄せる。
「またわがまま」
「香澄にしか言わない」
それを聞いた香澄は頬を赤くして、困ったように笑う。
それから、決意したようにまっすぐ俺を見た。