エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

 目の前にある綺麗な身体に吸い込まれるように唇を這わせると、彼女が小さく声を上げる。
 もっとその声が聞いていたくて、何度も口づけていると、スマホが軽快に鳴った。

「……電話ですね」
「誰かに見張られてるのか……?」

 そう思うくらい辛いタイミングだ。
 俺が呟くと、香澄はクスクス笑う。

 スマホを見てみると、病院から……。
 オンコールではなかったけど、父からの呼び出しだった。

 そういえば、今日は昼から医師会の会合の予定だった。

 息を吐いて、続きは帰ってから、と言うと、彼女は恥ずかしそうに微笑んだ。
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