エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

 食材の買い出しに行って、それから夕飯を作りにかかる。
 たくさん買い込みすぎて、何を作ろうかなとスマホを眺めながら悩んでいると、スマホが鳴った。

 昴さんかと思ったら、兄だった。

『ちょっと、いいか』
「うん」

 なんとなく間があって、それから兄は口を開く。

『もしかして昴と続けることになった?』

「え? あ、うん。……もう少しだけ。なんで? 昴さんから聞いた?」
『いや、廊下で挨拶しただけ。でも、見たことないくらい機嫌がよかったから』
「え……機嫌がいいって、どういうこと?」

(なんだろう、見たことないくらい機嫌がいいって……)

 私も昴さんのそんなところ見たことないんだけど……。
 私が聞くと兄は苦笑した。
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