エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

 でも、きっと兄は心配して連絡をくれたのだろうと思う。
 兄に心配ばかりかけて、なんだか申し訳なくなってしまった。

「ごめんね、また勝手に決めた」
『言っただろ、香澄が決めたことに口出しするつもりはないって。正直に言えば花畑先生と付き合ってほしかったけどな』

 そう言われて、昴さんが優太先生のプロポーズを知っていた件を思い出す。
 知っているのは優太先生と兄だけのはずだ。

「も、もしかして、優太先生のプロポーズのこと、昴さんに言ったの兄さん⁉」
『邪魔しないとは言ってない』
「なにそれ」

 本当にやめてほしい。
 昴さんに病院以外のことで心配なんてかけたくないのに……。
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