エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む
それから夕食作りを始めて、気付いたらたくさん作っていた。
味見で全部味が分かったので、調子にのってしまったのだ。
玄関の鍵が開く音に玄関まで慌てて走る。
ちょうど入ってきた昴さんと顔を合わせた。
「お帰りなさい」
顔を綻ばせた彼に、つい私もふにゃりと笑ってしまう。
「早かったですね……わっ!」
突然、ぎゅう、と抱きしめられて、彼は耳元で息を吐く。
「ただいま。いてよかった」
「いますよ」
思わず微笑んで言うと、そのまま昴さんは私の唇にキスをする。
何度もキスされて、ついそれに応えてしまったけど、ハッとして彼の胸を押した。
「んっ……ちょ、ちょっと待って、ご飯たくさん作ったから。昴さんと食べたいの」
「あぁ」
彼は小さく息を吐き、それからもう一度キスを落とすと、やっと私の身体を解放してくれた。