エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

 夕食後、洗い物をしていると、後ろからぎゅう、と抱きしめられる。

「おなか一杯になっちゃいましたね。作りすぎたかな」

 私が笑うと、昴さんは首筋にキスを落としだす。
 慌てて後ろを向くと、唇を奪われた。

「んぅっ……! ちょ、ちょっと待って……ぁっ!」
「今日、どれだけ待ったと思ってる」

「わ、わかった! わかりましたから、せめて寝室にいきたい……!」

(ここ、めちゃくちゃ明るいキッチンですから!)

「二回目以降はな」
「なっ……!」

 昴さんは絶句した私を見て微笑むと、私の左手首を後ろから掴んで、服に右手を差し込む。

 ――香澄の言う事なら聞きそうだからな。

 ふと兄の言葉を思い出した。

(私のいうこと、全然聞いてくれないよ⁉︎)
< 159 / 219 >

この作品をシェア

pagetop