エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む
夕食後、洗い物をしていると、後ろからぎゅう、と抱きしめられる。
「おなか一杯になっちゃいましたね。作りすぎたかな」
私が笑うと、昴さんは首筋にキスを落としだす。
慌てて後ろを向くと、唇を奪われた。
「んぅっ……! ちょ、ちょっと待って……ぁっ!」
「今日、どれだけ待ったと思ってる」
「わ、わかった! わかりましたから、せめて寝室にいきたい……!」
(ここ、めちゃくちゃ明るいキッチンですから!)
「二回目以降はな」
「なっ……!」
昴さんは絶句した私を見て微笑むと、私の左手首を後ろから掴んで、服に右手を差し込む。
――香澄の言う事なら聞きそうだからな。
ふと兄の言葉を思い出した。
(私のいうこと、全然聞いてくれないよ⁉︎)