エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

 思わず微笑むと、小春先生が楽しそうに、ふふっと声を出して笑う。

「え? ど、どうしたの?」
「いや、昴先生、旅行から戻られてからちゃんと休みも取れてるみたいだし。前はストイックすぎて心配だったけど、今は安心だなぁって」

「あぁ……。確かに今は週一は休んでるし、夜中になることはあるけど、毎日帰ってきて家で寝てくれてるから私も安心してる」

 私が言うと、小春先生は思い出したように口角を上げる。

「それで、なんだか先生の雰囲気も柔らかくなったというか……そのせいか病院の雰囲気もずいぶん変わったんですよ。なにより、昴先生が気持ち悪いくらい幸せそうですし。病院から帰る時、スキップしてますよ?」

「なにそれ、冗談でしょ?」

 さすがにそれは話を盛っているだろうと笑ってしまうと、苦笑しながら小春先生は言う。

「冗談じゃないからみんなびっくりしてるんだけどなぁ」
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