エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

 その夜、昴さんの帰りは少し遅かった。
 食事は食べたと言うので、「じゃあお風呂に入りますか?」と聞くと、何故か一緒にバスルームに連れ込まれた。

 それまでもこういうことは数えきれないほどあって、私は戸惑いながらも、少しでも昴さんとくっついていたい気持ちが勝ってしまって一緒に入ることになる。

 そこまでわかってて、一緒に入ろうなんて言ってくるみたいに感じていた。そして実際そうだろう。


 バスルームの中で、後ろから抱きしめる形で湯船に浸る。
 昴さんは私の髪に後ろから優しくキスをしていた。そわそわしてしまって口を開く。

「今日の検査、問題なくてよかったです。これから半年に一回でいいんですよね」
「あぁ」

 これからは本当に経過観察だけ。
 ほっとしていると、顎を持たれて振り向かされた。

 香澄、と低い声が耳をかすめると、すぐに唇が重なる。

「んっ……」

 そのまま何度もキスをして、それから唇が首筋に鎖骨に落ちてくる。
 手がふとももに触れて、慌てて昴さんを押した。
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