エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

「そういう自信満々なところだよ。それと、香澄に対しての自己主張が強すぎる。あいつの首の……」
「あぁ、キスマークのこと?」

「ぶっ……! ちょ、おま、もうちょっとオブラートに包め!」

 神也がお茶を吹き出したので、ハンカチを差し出す。
 優しい義弟だろ? と目で伝えると、それがわかってか睨まれ、ハンカチを奪うように取られた。

 旅行のあとから毎晩のように香澄を抱いてしまう。
 彼女を手放したくなくて、つい激しく、深く愛してしまう。

 背中に回してくれている香澄の腕が自分をぎゅう、と抱きしめるたび、彼女も同じ気持ちでいてくれるようで安心した。
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