エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む
俺がきっぱりと言うと、神也は苦笑した。
「そういう自信過剰なところは、お前のいいところだが、悪いところでもあるよ。お前は自分の気持ちだけを押し付けすぎる」
「仕方ないだろ、好きなものは好きだし、今までできなかった分も精一杯愛したい」
神也とまっすぐに目が合う。
すると少しして、神也が、はぁ、と大きくため息を吐いた。
「まぁ……とにかく、まだ腑に落ちない点は多いが、香澄を頼むのはやっぱり昴しかいないんだな」
「なら、そろそろ腑に落ちてくれ、兄さん」
「兄さんってやめろ! やっぱりこんな義弟は嫌だ!」
神也の怒った雰囲気が、なんだか怒った時の香澄に似ていて、思わず吹き出した。